講座 人権ゆかりの地をたずねて 2005年度

講座内容

2005年5月14日(土曜日)

講師 田端 泰子/研究センター嘱託研究員 京都橘大学学長
内容 細川ガラシャと勝龍寺城、味土野 ―逆境を生きた佳人の生涯―
明智光秀の娘という晴れ舞台から、謀叛人の娘という逆境に転落したこの人の、 悩み・苦しみと忍耐、新生への道を、史実で確かめながら追いかけてみる。 ガラシャを通じて、戦国期の女性の役割を考察する。

2005年6月11日(土曜日)

講師 李 元植/元近畿大学文芸学部教授
内容 朝鮮通信使と相国寺慈照院 ―通信使の遺墨を中心に―
慈照院の別宗祖縁は、以酊庵輪番僧として、また接伴僧として通信使との関わりが深い。慈照院に伝わる通信使の遺墨―「風雲際会」詩稿、「韓客詞章」、承天閣蔵「松雲図賛」などを通して日朝交流の実態をさぐることにする。

2005年7月9日(土曜日)

講師 仲尾 宏/研究センター研究第3部長 京都造形芸術大学客員教授
内容 朝鮮通信使の先がけ 松雲大師と徳川家康 ―伏見城と本法寺で復交と交流をはかる―
1605年、朝鮮国から派遣されてきた松雲大師惟政と徳川家康は伏見城で会見して秀吉の侵略戦争後の国交回復をはかった。また大師は上京の本法寺に滞在して日本の五山僧などとまじわり、日朝文化交流のさきがけをした。

2005年9月3日(土曜日)

講師 坂元 茂樹/研究センター研究第1部長 神戸大学大学院法学研究科教授
内容 舞鶴湾と浮島丸事件
終戦直後の昭和20年8月24日、舞鶴港に入港しようとした浮島丸が爆発し、多数の朝鮮半島出身者が死亡した。この謎に包まれた爆発事件の経緯とその後の本事件をめぐる裁判について検討する。

2005年10月15日(土曜日)

講師 水野 直樹/研究センター客員研究員 京都大学人文科学研究所教授
内容 丹波マンガン記念館 ―戦時下の朝鮮人労働者―
丹波山地に点在するマンガン鉱山は、鉄を強くする材料として戦時期に生産増大を求められ、多くの朝鮮人労働者が零細な鉱山で働いた。マンガン鉱山を通して、戦時下の京都府の朝鮮人労働者の状況を考える。

2005年11月26日(土曜日)

講師 福田 雅子/研究センター研究第4部長 ジャーナリスト
内容 引揚げの町・舞鶴 ―"異国の丘""岸壁の母"を刻んで―
軍港から一転、引揚港となった舞鶴港は終戦の年から13年間、海外の同胞66万人の引揚者と1万6千柱の遺骨を迎えた。帰らぬ子や夫を待った家族の歴史とともに、平和への願いをこめる引揚記念館。国際貿易港のいまも。

2005年12月17日(土曜日)

講師 秋定 嘉和/研究センター研究第2部長 池坊短期大学名誉教授
内容 戦時下の京都市民と社会福祉事業 ―救貧・保健・協和・同和事業のなかで―
京都市北部と南部で展開した社会福祉事業の諸分野の内容を紹介する。戦時のさなか、さまざまな困難のなか、不十分とはいえ行政の努力と市民の協調のあとを考える。そして、このことを現在の糧としたい。

2005年1月14日(土曜日)

講師 広隆寺と松尾大社 ―秦氏創建の社寺―
内容 高野新笠 -桓武天皇の生母の実像-
国宝第1号の思惟弥勒像を伝える太秦の広隆寺は秦氏とのゆかりが深く、葛野秦寺にはじまる。今は酒の神としても有名な松尾大社は、大宝元年(701)に秦氏が創建したと伝え、巨大な磐座と山の神・海の神の奉斎も注目される。

開催要項

時間 :午後2時~午後3時30分
場所 :池坊学園(京都市下京区室町通四条下る)
受講料:1回 1,000円 ※賛助会員は無料