講座 人権ゆかりの地をたずねて 2009年度

講座内容

2009年5月16日(土曜日)

講師 仲尾 宏/研究センター研究第3部長 京都造形芸術大学客員教授
テーマと内容 天龍寺と室町時代の日朝友好 -もうひとつの朝鮮通信使の時代-
京都将軍家と言われた足利幕府の時代は、江戸時代に勝るとも劣らない日朝の交流史が繰り広げられた。その足掛かりとなった天龍寺などに残る足跡をたどりながら、中世の東アジアのなかの日本を考える。

2009年6月6日(土曜日)

講師 井上 直樹/京都府立大学文学部准教授
テーマと内容 鴻臚館と渤海使節 -平安京での日本・渤海交流-
現在の中国東北地方から朝鮮半島北部を領有していた渤海はしばしば日本に使節を派遣したが、その使節の平安京での宿泊場所が鴻臚館であった。渤海使節への迎接などを通して、日本と渤海の交流について考えてみたい。

2009年7月4日(土曜日)

講師 山路 興造/研究センター嘱託研究員 佛教大学非常勤講師
テーマと内容 都の祝福芸能者たち -その集住地と職能をさぐる-
中世期以来、都にはさまざまな祝福芸能者が集住していた。中世後期には柳原・北畠・桜町など。江戸時代には職能別に。明治期に入ると南無地蔵など。彼らの集住地と祝福芸能の具体像を絵画資料などを使ってさぐってみる。

2009年9月5日(土曜日)

講師 田端 泰子/研究センター嘱託研究員 京都橘大学学長
テーマと内容 信長時代の人質、秀吉時代の人質
西洋でも近代になるまで習慣としてあったとされる人質。人間を担保物件として物と同一視する悪弊のひとつである。信長、秀吉時代の人質について検討することで、人質問題から見えてくる諸側面に迫ってみたい。

2009年9月26日(土曜日)

講師 坂元 茂樹/研究センター研究第1部長
神戸大学大学院法学研究科教授
テーマと内容 キリスト教解禁と同志社 -信教の自由の観点から-
欧米列強は、1868年、明治政府に対しキリスト教禁止の布告の廃止を申し入れた。しかし、明治政府の動きはにぶかった。近代日本において、信教の自由の実現がどのように行われたのかを同志社の創立に絡めて検討する。

2009年11月21日(土曜日)

講師 家塚 智子/研究センター嘱託研究員
京都市立芸術大学非常勤講師
テーマと内容 能《丹後物狂》と天橋立 -足利義満・世阿弥・雪舟-
井阿弥作・世阿弥改作とされる《丹後物狂》は、2009年2009年10月、舞台となった智恩寺文殊堂で復曲・上演される(予定)。父と子の悲しい別れ。それはなぜおこったのか? 日本三景として名高い天橋立について、新たな視点から考えたい。

2009年12月12日(土曜日)

講師 秋定 嘉和/研究センター研究第2部長 池坊短期大学名誉教授
テーマと内容 水上勉と京の人権文化
作家・水上勉と京都の縁は深い。幼年時代の貧しさ、寺での修行を経て、夜学生の頃より花街にも出入りした彼の経験は、やがてその作品に結びついていった。水上の思い出が伝える京の人々の悲喜は「人権文化」にも重なる。

2009年1月16日(土曜日)

講師 上田 正昭/研究センター理事長 京都大学名誉教授
テーマと内容 平安京造営と百済王氏
平安京造営には渡来系の氏族が大きな役割を果たしたが、百済王朝最後の義慈王の流れをくむ百済王氏の活躍には改めて注目すべきものがある。百済武寧王の流れをくむ桓武天皇の生母高野新笠の存在とあわせて考える必要がある。

開催要項

時間 :午後2時~3時30分
場所 :池坊学園(室町通四条下る)美心館4階 42教室
受講料:1回 1,000円 ※賛助会員は無料