講座 人権ゆかりの地をたずねて 2012年度

講座内容

※今年は、会場を「池坊学園」から「ウィングス京都」に移して開催しています。お間違えのないようにお願いします。

2012年6月2日(土曜日)

講師 田端 泰子/研究センター評議員 京都橘大学名誉教授
内容 苦難に磨かれた女性 -春日局-
明智光秀の重臣斉藤利三の娘福は、少女時代・娘時代に二度にわたり貧窮の身となる。その後徳川家康によって家光の乳母として見出されて以降、成立期の幕府を支えるべく大きな力を発揮する。福の成長の過程を検証してみたい。

2012年6月30日(土)

講師 水野 直樹/研究センター客員研究員 京都大学教授
内容 チョゴリの女性を描いた京都の日本画家
―秋野不矩と梶原緋佐子―

京都の女性日本画家を代表する秋野不矩と梶原緋佐子には、戦前の在日コリアン女性の姿を描いた作品がある。「野を帰る」(秋野、1930年)と「機織」(梶原、1934年)は、いずれも帝国美術院展覧会の入選作である。これらの絵を通して、京都の在日コリアン女性の歴史を考える。

2012年7月21日(土曜日)

講師 山路 興造/研究センター第2部長 京都市歴史資料館元館長
内容 大路小路の暮らし ―木戸と木戸番の居た時代―
計画都市平安京として区画された京都は、その大路小路が1200年後の現在でも生き残っている。この大路小路を中心に、人々は、それぞれの時代に即した地域共同体を工夫して暮らしてきているが、その変遷とともに、町の暮らしを警護した木戸番の実態を考えたい。

2012年9月29日(土曜日)

講師 仲尾  宏/研究センター第3部長 京都造形芸術大学客員教授
内容 朝鮮通信使と淀・鳥羽 ―水陸歴程の地―
江戸へ向かう朝鮮通信使にとって山城・淀は「水陸歴程の地」と呼ばれ、それまでの水路から陸路の旅にかわる重要な地点であった。そこでの見聞や歓待の行事、こぼれ話しなどをとりあげる。なお鳥羽は実相寺が休憩の場であった。

2012年10月20日(土曜日)

講師 秋定 嘉和/研究センター嘱託研究員 池坊短期大学名誉教授
内容 京都東南部の生活と人権 ―港・酒・遊所―
伏見界隈の戦前の生活と産業、交通、娯楽について考えてみたい。この地は明治維新以前より京都・大阪を結ぶ要路であり、人々や物資が盛んに行き交っていた。そうした状況は明治期の鉄道開通とともに変化をみせ始める。

2012年11月17日(土曜日)

講師 馬場 まみ/研究センター嘱託研究員 京都華頂大学教授
内容 服装からみる江戸時代の女性と階層
服装は、歴史的に身分階層を表わす手段として用いられてきた。江戸時代、女性に対する服装による身分階層の区分はどのように設定されていたのだろうか。服装規範をたどりながら、江戸時代の女性の社会的位置づけについて考える。

2012年12月15日(土曜日)

講師 川嶋 將生/研究センター嘱託研究員 立命館大学衣笠総合研究機構教授
内容 清水寺と信仰―物語のなかの「弱者」
東山の清水寺には、かつて病の治癒を願う信仰があり、そのなかには「癩」の治癒もあった。また社会的弱者の立場におかれていた「一寸法師」「物くさ太郎」などの物語も清水寺を舞台としていた。節季候の実態についても触れる。

2012年1月26日(土曜日)

講師 上田 正昭/研究センター理事長 京都大学名誉教授
内容 石田梅岩とこころの学問 ―京都が生んだ心学の先人―
人心が荒廃して、こころの教育が強調されている。享保14年(1729)車屋町御池上るで開講した石田梅岩は、こころの本性を知り、こころを発明する必要性を説いた。そして商人に自信と誇りを与え、経世済民のあるべき姿を力説した。

開催要項

時間 :午後2時~3時30分(受付:午後1時30分)
場所 :「ウィングス京都」(中京区東洞院通六角下る東側)2階セミナー室
受講料:1回 1,000円 ※賛助会員は無料