研究第6部

研究第6部

企業と人権の研究

人は家族、友人、企業(職場)、地域社会などさまざまなかかわりの中で生活を営んでいるが、現在の社会の中では、学校生活をおえてから退職するまで、企業との契約(労働契約、雇用契約)に基づいて、労働者(勤労者)として人生の大半を過ごす者が圧倒的に多数を占める。その舞台・場となるのが「企業」であり「職場」である。その意味で、そこでの生活のあり方がその人自身の人間形成・自己実現に最も大きな役割を果たすことになる。現在における「人権」を考える場合、こうした企業あるいは職場との密接な関わりを抜きにして考えることはできないともいえる。今日の時代背景のもとで企業とのかかわりを踏まえて「人権」の諸問題を検討・考察していくことの重要性が改めて問われている。具体的には、「働き方改革」に関連する問題、職場の「メンタルヘルス」問題、非正規雇用労働者の労働条件格差(差別)をはじめ、多様性重視の問題、働きがいのある人間らしい労働、企業の社会的責任の問題なども視野に入れて検討していきたい。