プロジェクトチーム4
性的マイノリティと人権
性は男女の2つしかなく、かつ男女は惹かれ合うこと、性別に関する自己認識や性の表現は出生時に割り当てられた性と一致することを前提とする性別二元制は、いまだ根深く存在している。それは法や制度だけではなく、わたしたちの意識を縛っている。こうした性別二元制のもと、性的マイノリティは「異常」や「逸脱」、「反自然」とみなされてきた歴史をもち、現在も偏見や差別に直面している。性の多様性が少しずつ認識されつつあるが、性的マイノリティのみが説明対象となる教育・啓発のあり方、性的マイノリティの存在を想定していない法や制度の見直しなど、多くの課題が残されている。
本チームでは3つの観点から研究を進めている。
①性的マイノリティの人権保障と生殖・出産・育児・家族の関係について検討し、婚姻やふたりの親を超えた実践の可能性を探ること、②性的マイノリティと教育について多様性教育における可能性と課題を考察すること、③性的マイノリティが、長い間、人権の主体としてみなされてこなかったのはなぜか、現在においても人権からの排除がどのように正当化されているのかを理論的・実践的に検討することである。
これらを踏まえて、性的マイノリティの人権をめぐる諸課題への提言を行う。
「性的マイノリティに関する教職員意識調査」の結果について
公益財団法⼈世界⼈権問題研究センター・プロジェクトチーム 4は、2020 年度から「性的マイノリティと⼈権」を研究テーマとして、性的マイノリティ及び性の多様性に関する学校教育の現状と課題について研究を進めています。
その⼀環として、2021年度に京都府・⼤阪府内における⼩学校・中学校・⾼等学校の教職員の性的マイノリティに関する意識調査を中京⼤学・⾵間研究室の協⼒を受けて実施しました。
この度、調査結果をまとめましたので、公開します。
「性的マイノリティに関する教職員意識調査報告書」
【短縮版】301KB 【全体版】4,928KB
研究員名簿
役職 | 氏名 |
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リーダー | 風間 孝(中京大学教養教育研究院教授) |
専任研究員 | 堀江 有里(世界人権問題研究センター研究員) |
嘱託研究員 | 有田 啓子(立命館大学生存学研究所客員研究員) |
嘱託研究員 | 釜野 さおり(早稲田大学社会科学総合学術院・教授) |
嘱託研究員 | 熊本 理抄(近畿大学人権問題研究所教授) |
嘱託研究員 | 小門 穂(大阪大学文学部・大学院人文学研究科 准教授) |
嘱託研究員 | 新ヶ江 章友(大阪公立大学人権問題研究センター教授) |
嘱託研究員 | 水野 英莉(流通科学大学人間社会学部 教授) |