プロジェクトチーム5

プロジェクトチーム5

ビジネスと人権

 2011年に国連人権理事会が採択した「ビジネスと人権に関する指導原則(以下、指導原則)」は、2021年に10年の節目を迎え、欧米諸国を中心にビジネスと人権に関する国別行動計画や企業に対して法的な義務を課す法令の制定が相次いで行われているところ、日本では2020年10月に「『ビジネスと人権』に関する行動計画(2020-2025)」、2022年9月には、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」が策定された。指導原則自体は法的拘束力を有しないいわゆるソフトローであるが、指導原則に示された内容が各国において法的拘束力のあるハードローとして制定されている。

 日本における法制化の動きはまだ本格化していないものの、日本企業が海外で事業を行う場合に、当該国の法令により、日本法人たる企業にも法的な義務が課される可能性がある。また、法的義務の対象となる人権デューディリジェンス等について、当該国ないし日本に限らず、第三国のサプライチェーン等が含まれうる中で、日本政府及び日本企業は、「ビジネスと人権」に関する法制の国内外における動向を把握しつつ、具体的な人権デューディリジェンス等の取組みを進めることが求められている。

 このような社会的背景の下、本研究プロジェクトは「ビジネスと人権」をめぐる問題について、主に法的な側面から体系的に検討し、指導原則の歴史的な展開を含む「ソフトローの生成過程」を明らかにしつつ、それがいかにして人々や企業の「行為規範」となっていくのかということを見極めようとするものである。多彩な研究者と実務家が参画する共同研究であることから、近年広く社会で認知されているSDGsの切り口や人権促進主体としての企業活動の側面にも着目し、複眼的なアプローチを採用している。研究者、弁護士・社労士から構成される本プロジェクトチームの共同研究会には、2年目(2022年)より企業からもオブザーバーとして定期的に複数名が参加しており、研究と実務にまたがる活発な議論を行っている。

研究員名簿

役職 氏名
リーダー 吾郷 眞一(九州大学名誉教授・立命館大学衣笠総合研究機構 法政基盤研究センター 上席研究員)
専任研究員 井上 良子(世界人権問題研究センター 研究員)
嘱託研究員 植田 健一(つばさ社会保険労務士事務所・社会保険労務士)
嘱託研究員 定金 史朗(DT弁護士法人弁護士)
嘱託研究員 菅原 絵美(大阪経済法科大学 国際学部 教授)
嘱託研究員 髙橋 宗瑠(大阪女学院大学教授)
嘱託研究員 三輪 敦子(関西学院大学SGU招聘客員教授、アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)所長)