企業の社会的責任と人権に関する研究
「企業と人権」における課題は、「企業と労働」という問題領域よりもかなり広く、企業内で業務に従事する人(労働者)の人権に関わる問題に加えて、企業の周辺に住む人々(住民)、企業が製造する製品を購入する消費者などにも関係する。そのためこれらの人々が、企業の活動によってどのような影響を受けるかをも考察の対象にする必要がある。これまで主として、企業と人権に関して、主として労働法・社会保障法の観点から考察し取り扱かってきたが、それでは少し狭いということで、現在、重要な課題として取り上げられてきている企業の社会的責任(CSR、Corporate Social Responsibility)をも視野に入れて検討を加えていきたいと考えている。